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2006/1/31 Is this a joke or justice?
今日は疲れが溜まっているせいか、予習で読んでいるどの判例もいつにもまして面白い。もちろん私は凡人なので、アカデミックに面白いのではなく、コミカルに面白いのだ。

① Welch v Helvering (SC, 1933)

<事案と論点>
つぶれた会社の役員が、得意先とのBusiness relationshipを維持するためとくに個人保証などもしていなかったにもかかわらず得意先の債権者に私財から弁済を行ったが、これを役員が必要経費(「必要かつ通常の経費」)として控除できるか?「通常の経費」の意味が問題。

<判旨>
「The standard set up by the statute is not a rule of law; it is rather a way of life. Life in all its fullness must supply the answer to the riddle.」

<コメント>
まるでPoem。人生だ、人生が「通常の経費」かどうかの問いに答えてくれるのだ、って、こんなところで人生を謳歌してどうするんだ。結局「通常の経費」の判断基準はなんなんだ~~。

②Aspen Skiing Co. v Aspen Highlands Sking Corp (SC, 1985)

<事案>
アスペン地域(志賀高原みたいなもの)にはスキー場が4山あるが、そのうち3山はSkiing Co.が、1山はHighlands社が経営している。過去に4山共通チケット(6日間で4山すべり放題)を販売したら、コロラド州から水平的価格協定(シャーマン法1条違反)だとして訴えられて、値段の決め方について規制を受けることになった。その後、Skiing Coが競争相手のHighlands Co.を締め出そうと、4山共通チケットの販売を辞めた。これに対して、Highlands Co.がSkiing Coを今度は独占行為(シャーマン法2条違反)で訴えたところ、4山共通チケットは消費者にとって有益なものであることを理由にHighlands Co.が勝訴した。

<コメント>
Skiing Coにしてみれば4山共通チケットを販売すると1条違反、販売をやめると2条違反という踏んだりけったりの状況。一体どうすればいいんだ。独禁法違反だらけのスキー場なんて想像したこともなかった。

③Gilliam v Commissioner (USTax Court, 1986)


<事案と論点>
有名なアーティストが、出張中の飛行機の中で突然持病の精神異常をきたし、人を殴ったり飛行機のドアを開けようとしたりして逮捕された。精神病による一時的なInsanityということで無罪になったが、その公判にかかった訴訟費用を必要経費(「必要かつ通常の経費」)として控除できるか?→No.

<コメント>
出張に必要な経費ということで控除しようとしたようだが、これを必要経費として控除しようとしている段階でInsaneなんじゃなかろうか。こんなことで訴訟まで行ってしまうのが不思議。

※   ※   ※

アメリカの判決は事案も面白いし、法律やルールもヘンなものが多いし、裁判官の判決にいたっては書きたい放題なので、ほんとに面白いです。
by ilovemascarponeR | 2006-01-31 13:57 | School Life
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