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2006/1/31 Is this a joke or justice?
今日は疲れが溜まっているせいか、予習で読んでいるどの判例もいつにもまして面白い。もちろん私は凡人なので、アカデミックに面白いのではなく、コミカルに面白いのだ。

① Welch v Helvering (SC, 1933)

<事案と論点>
つぶれた会社の役員が、得意先とのBusiness relationshipを維持するためとくに個人保証などもしていなかったにもかかわらず得意先の債権者に私財から弁済を行ったが、これを役員が必要経費(「必要かつ通常の経費」)として控除できるか?「通常の経費」の意味が問題。

<判旨>
「The standard set up by the statute is not a rule of law; it is rather a way of life. Life in all its fullness must supply the answer to the riddle.」

<コメント>
まるでPoem。人生だ、人生が「通常の経費」かどうかの問いに答えてくれるのだ、って、こんなところで人生を謳歌してどうするんだ。結局「通常の経費」の判断基準はなんなんだ~~。

②Aspen Skiing Co. v Aspen Highlands Sking Corp (SC, 1985)

<事案>
アスペン地域(志賀高原みたいなもの)にはスキー場が4山あるが、そのうち3山はSkiing Co.が、1山はHighlands社が経営している。過去に4山共通チケット(6日間で4山すべり放題)を販売したら、コロラド州から水平的価格協定(シャーマン法1条違反)だとして訴えられて、値段の決め方について規制を受けることになった。その後、Skiing Coが競争相手のHighlands Co.を締め出そうと、4山共通チケットの販売を辞めた。これに対して、Highlands Co.がSkiing Coを今度は独占行為(シャーマン法2条違反)で訴えたところ、4山共通チケットは消費者にとって有益なものであることを理由にHighlands Co.が勝訴した。

<コメント>
Skiing Coにしてみれば4山共通チケットを販売すると1条違反、販売をやめると2条違反という踏んだりけったりの状況。一体どうすればいいんだ。独禁法違反だらけのスキー場なんて想像したこともなかった。

③Gilliam v Commissioner (USTax Court, 1986)


<事案と論点>
有名なアーティストが、出張中の飛行機の中で突然持病の精神異常をきたし、人を殴ったり飛行機のドアを開けようとしたりして逮捕された。精神病による一時的なInsanityということで無罪になったが、その公判にかかった訴訟費用を必要経費(「必要かつ通常の経費」)として控除できるか?→No.

<コメント>
出張に必要な経費ということで控除しようとしたようだが、これを必要経費として控除しようとしている段階でInsaneなんじゃなかろうか。こんなことで訴訟まで行ってしまうのが不思議。

※   ※   ※

アメリカの判決は事案も面白いし、法律やルールもヘンなものが多いし、裁判官の判決にいたっては書きたい放題なので、ほんとに面白いです。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-31 13:57 | School Life
2006/1/30 February Exodus & eJournal
e0087035_12321982.jpg今年秋から始まるLLM Class of 2007の出願も大体終わったようで、日本のLLM出願者達が仕事の合間を縫ってキャンパス見学やDeanへのご挨拶(要するにプッシュ)のために続々とアメリカに研修旅行にやってくる時期になった。私のところにも、2月末までの間に後輩や友人6人がばらばらとやってくる。みな半年以上ぶりに会うメンバーなので、学校見学のついでとはいえ久しぶりに再会できるのはとてもうれしく、久しぶりに日本の状況なども聞けるので今から楽しみだ。

私も去年シカゴ・NY・フィラデルフィアなどを回って、ロースクールを訪問して授業に出てみたり、その在校生に会ったりしたが、百聞は一見に如かずで学校や街の印象はいくら人から話を聞いていても実際に見てみると予想と違うものだ。これは何でも同じことで、仕事の分野なども事務所訪問をしていくら人の話を聞いてもやってみないと本当のところは分からない。

考えてみれば、もうロー・スクール生活も折り返し地点。これからも、Bar ExamやアメリカのLaw Firmでの研修など新しい体験が待ってはいるが、このままではあっという間に終わってしまいそうなので、頭でっかちよりも経験重視という座右の銘(?)を忘れずに引き続き何でもやってみようと思いを新たにした。

前置きが長くなったが、そんなこんなで新たに始めようと思っているのが、シカゴ大学international blog(eJournal)のEditor/Writer。これは相当前から大学スタッフの間で暖められていた企画である。

先学期中に興味のあるLLM生が集められて、刑法の教授、LLM担当Dean、ロースクールスタッフから趣旨の説明があった。

教授 「君らは、既にシカゴ大学帝国の兵隊になった!そこで、これから帝国の理念を世界に広めるために、シカゴ・アイデアを各国の法曹に紹介するJournalをつくる企画に参加して欲しい。」

LLM 「私達は何がシカゴ・アイデアで何がシカゴ・アイデアじゃないんだかよく分かってないんですが、たとえばどんなテーマなんでしょうか。」

教授 「うーん、たとえば私が刑法学会で唱えているBroken Window理論などが他の国でどのように適用できるかとかだ。まあ、君らはほとんどBusiness Lawyerなので私のBroken Window理論なんてどうせ興味ないんだろうけどさ。」

LLM 「・・・・。」

というわけで、LLM生が英語と母国語で自分の国の状況をシカゴ的視点から検討する短い記事をLaw SchoolのWebsiteにeJournalという形で投稿するという企画のようである。まあ、いまいち何をやりたいのかのVisionが明確でないのと、日本から人がたくさん来るし、また期末試験が迫っているし、そんなことをやる時間があるのかという心配もあるのだが、とりあえず参加してみることにした。

おっと、そんなことを書いている間にクラスメートのイタリア人からAntitrustのStudy Groupをやらないかというお誘いが。こっちのが重要だから参加することにしよう。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-30 11:18 | School Life
2006/1/25 Winter Quarter - Antitrust
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Add/Drop期間も終わり、冬学期の授業が確定した。結局、
 
 ①Federal Regulations of Securities
 ②Introductory Income Tax
 ③Antitrust Law

の3科目である。

最初の2つは既に科目紹介をしたので、今日は最後のAntitrustについて。

アメリカの独禁法は、シャーマン法にクレイトン法という制定法があるものの、日本の独禁法以上に条文からだけでは何も分からないという意味で完全にケース・ローの世界である。

Picker教授によると、アメリカの独禁法の運用の傾向についてはPre-Chicago、Chicago、Post-Chicagoの3期に分けられる。Pre-Chicagoは裁判官が無秩序にやりたい放題のひどい時代(ものの本によると、この時代は独占規制、構造規制を唱えるHarvard学派が優位に立っていたということなのでBiaseのかかった発言と思われますが)、Chicagoは、Posner判事、Easterbrook判事などに代表されるシカゴ学派の経済分析、市場分析を重視する時代、Post-Chicagoはシカゴ学派のローエコの視点に加えて、ゲーム理論の考え方を取り入れた時代とのこと。

ということで、授業の方もほとんど経済理論に終始しており、判例の事案を題材にMarginal CostとDemand Curveの関係やらCoase Conjectureやらの話が展開されており、スライドも法律科目にはしては珍しくグラフや表が多い。

LLMの同級生の話を聞いていると、どうやら独禁法はよく分からないということで相当不評のようであるが、私は今回とっている科目の中で一番好きである。

なんでだろうと考えてみると、独禁法違反で訴えられるというのはある意味大企業の特権のようなもので、判例になっているケースもトイザラス、コダック、マイクロソフト、アスペン、NCAAなど日本人の私でも知っているような大企業や組織ばかりである。それらの企業や組織がマーケット拡大を目指して取ったオリジナルなスキームと、それがどういう経済効果をマーケットに及ぼしたかについての両当事者の主張の応酬・裁判所の見解を読むのは、定義がどうだとか、この条文の適用はどうだとかいうつまらない法律論と比べると、とても面白い。

また10回位しか授業を聞いていないが、ケースを分析する方法も大体以下のような流れをたどっており、合理的で一定している。

①過去の経験上類型的に明らかにAnticompetitiveな効果を持つとされる行為かどうか(Yesなら詳細なマーケット分析に入ることなく当然違法)、②そうでないなら、Rule of reasonを適用し、詳細なマーケット分析の上問題になっている効果が持つSocial Benefitと競争制限によるSocial Lossを比較し、BenefitがLossを上回る場合には合法とする、③以上の分析をする前提として、問題となるMarketはなんなのかと、問題とされている行為がそのMarketにどのような影響を及ぼしているかの簡単な分析を最初に行う。

そういうわけで、全体的にとても科学的な気がする。

もちろん、Taxにしても証取法にしても、背景にはPolicy論があり、社会的な公平とか投資家保護の観点から条文解釈をするわけだが、そのほとんどは結局立法論で、条文や政令を作ったらそれで終わり、あとは瑣末だったり時代によって新たに生じたGray Areaをどうするのか、という話である。それにくらべると、独禁法は集団的な人間の行動を具体的事例に沿いながら科学的に分析することで、社会的にかなりの影響のあるスキームを違法とするか合法とするかなので、判例を読んでいてもダイナミックである。

これが判例の積み重ねや訴訟の少ない日本だと、FTCのガイドラインを読んだ上で事前にFTCにお伺いを立てて彼らの裁量に従って終わり、となってしまうからまた面白くないのですが。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-25 16:18 | School Life
2006/1/21 You ha Shock
e0087035_14531756.jpg巷はライブドアの話で盛り上がっていて、ネット上のニュースやみなさんのコメントを読んでいて色々思うこともあるのですが、このブログは法律・時事ネタは書かないというとりあえずのPolicyになっている(所属事務所が絡んでいる案件も多いし、ここで何か書いて宣伝っぽくなるのが個人的に嫌だというのが主な理由です)ので、やっぱり書かないことにします。でもそのうちアメリカの時事ネタについては書いてみたいなと思っています。

まあ、そういうことで、今日も時期柄Law School生の生活紹介ということで、週末のすごし方について実例をだらだらと。

金曜日

PM 0:30 起床。金曜は補講や講演会などが入ることもあるが基本的に授業はない。今週は特に補講などもないので、1週間の疲れを取るため昼過ぎまで寝る。

PM 1:00 日本から引き受けた翻訳の仕事を進める。九州大学の進めている法令英訳プロジェクトの協力で本人確認法の英訳。

PM 2:00  車でスーパーに食材などを買出しに。最近はアメリカ人風に1週間分の食材をまとめ買い。

PM 3:00  月曜締め切りのSecuritiesの宿題にとりかかる。Case Bookに乗っている40問の事例問題に答えるというもので、回答は短くていいとはいえ結構大変。

PM 6:00  今日は、7時から近くに住んでいるクラスメートのスイス人夫妻と、ドイツ人1人、日本人1人を自宅に呼んでしゃぶしゃぶの会なので、下準備を始める。

PM 7:00 時間通りに全員集合。珍しい!絶対遅れてくると思ってのんびり準備していたので意表を衝かれた。Shabu shabuは好評のモヨウ。スイス人がSukiyakiとの違いを今日始めて知ったと言っていたのにはちょっとびっくり(一見して違うと思うのだが・・)。

PM 9:00  デザートに移行。スイス人夫妻が買ってきてくれたケーキに、ドイツ人が買ってきてくれた独特な風味のScotch Wiskyを飲みながら、MTVを一緒に見つつ、だべる。

PM 11:30 みんなそろって帰宅。

PM 12:00 独禁法の予習を開始。前回の積み残し分とContinental TV Inc v GTE Sylvania Inc.。

AM 1:00  勉強に飽きて、最近最初から通して見始めているFriends のDVD(まだSecond Season)を2話見る。

AM 2:00  独禁法の予習を再開。その間iTunes Music Store USから5曲ダウンロード。1曲99セントという絶妙な価格設定が相変わらず心憎い。

AM 3:30  気づいたら寝てた。 

土曜日

AM 10:00  起床。適当な朝食をつくって食べる。だんだん料理のレパートリーも増えつつあるが、手抜き+簡単なものばっかり作るようになってきている気がする。

AM 11:00 独禁法の予習を再開。Standard Fashion Co vs Magrane-Houston CoとToys"R"s vs FTC

PM 1:00  家の掃除やら洗濯やら。昼間一気にやらないとなかなかやらないので、気合を入れて片付ける。やりだすと忙しいときに限って細かいほこりとかまで拭き始めてしまうこの性格は直さなければと思うが、直らない。

PM 2:00  大学の図書館に移動。Securitiesの宿題を再開。テーマはGun jumping(Registration Statement提出後のWaiting Period中に行われるMarketing活動に関する規制の適用の有無)が主なのだが、なかなか進まない。

PM 5:00  今日はシカゴ大学日本人会(UCJA)の新年会。ロースクールだけでなく、ビジネススクールや医学部など学部横断の会である。私は幹事補佐なので、1時間前から行って会場セッティングなどを手伝う。

PM 6:00  新年会スタート。他学部の方々と話すのは普段聞けない話が色々と聞けるので面白い。

PM 10:00 帰宅

PM 11:00 Securitiesの宿題を再開。まだ大分残っている。さらにIncome Taxの予習も丸々残っているし、翻訳の仕事の締め切りも迫っているので、日曜は終日家で作業か。

大体週末はこんな風にイベント+勉強+家事の日々です。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-21 14:01 | School Life
2006/1/19 Restaurants Review
久しぶりにローカル・ネタに戻って、今月これまでに行ったレストランを一挙紹介します。

e0087035_1637630.jpg1 Takkatsu

クラスメイトのS君が年明けに「和幸と同じようなトンカツが出てきてすごい!」と感動していたトンカツ屋。ダウンタウンから1時間以上かかるミツワからさらに15分くらい北に行ったところにあるので、そう簡単には行けないが、S君の感動ぶりに刺激されて、ミツワと床屋(Uni Hairという日本人が経営している美容院)に行くついでに行ってみた。とても小奇麗な店内、意外なことにフロアにいるのはアメリカ人の店員。そして黒豚トンカツを頼んでみると、、

e0087035_16291539.jpg感激。
感激だ。
これはすごい。
和幸と同じといってはお店に悪いんじゃないかというほど、本格的。まさかアメリカでこんなトンカツが食べられるとは。そもそも黒豚なんてどこにいるんだろう。別にもともとトンカツが好きなわけではないのだが、アメリカに来て一番感動した和食であることは間違いなし。ミツワに行くたびに通ってしまいそうだ。

総合評価 ★★★★★+★!

e0087035_16463710.jpg2 CoCo Pazzo

以前紹介したCoCo Pazzo Cafeの本家。Contemporaryな店内はとても格好よく、他に来ていたお客さんたちもオシャレな人たちが多かった。味はCoCo Pazzoグループだけあって文句なしだが、Cafeでも同じものが食べられるのでCafeのがお得感はある。それと、お店のレベルに比べるとサービスが若干いい加減だったのは、単に運が悪かっただけか?

総合評価 ★★★★★

e0087035_16401335.jpg3 Morton's

ザガットではシカゴで一番評価の高いSteak House。チェーン店で全米各地にあるがシカゴが本店である。が、私が行ったのは家の近くのシカゴ2号店。ステーキがでかいのは見慣れてきたが、ラグビーボールみたいなパンが出てきたのにはびっくりした。味の方は、、ダントツ1位にするほどではないような気がする。

総合評価 ★★★★

4 Szechwan Restaurant

ダウンタウンのミシガン・アベニューからちょっと入ったところにあるせいか、地球の歩き方ではシカゴでもっとも有名なChineseと紹介されている。China Townの中華料理屋とは違って、中はとても豪華で日本にある高級中華料理屋という雰囲気。が、値段はChina Townとさほど変わらない。味は、若干アメリカナイズされた味付けになっているからか、期待したほどではなかった。ダウンタウン在住者が、中華を食べたいけどChina Townまで行くのはちょっと、というときにお薦めか。

総合評価 ★★★

PS シカゴ在住又はシカゴOBの方、お薦めのお店がありましたら是非ご紹介ください。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-19 16:18 | Restaurants Review
2006/1/18 Looking Back on the Past
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今日はMikeさんのこの投稿を読んで、そもそもなぜ私が留学を志して、いまここにいるのかを思い出した。

留学生には多かれ少なかれ子どものときに海外に住んでいたという帰国の方々が多いが、私はいわゆる純ジャパである。ただ、中学生のときから英語の勉強は好きで、大学に入ってからも中高の間に通った英語の学校で5年間中高生に英語を教えていた。「英語の学校」というのは要するに「学習塾」なのだが、少し変わった学習塾で、その理念は「本物の生きた英語」を教えることだった。本物の生きた英語を勉強していれば東大でも慶応でも1番で入れる、というのが塾長の口癖だった。そんなわけで、Readingの教材は、ラッセルの哲学書だったり、ドンキ・ホーテなどの古典文学だったり、ジョージ・オーウェルの動物農場だったりした。その学校の他の先生は大抵が英文科卒の学者か学者の卵で、大体留学経験があったのでよく留学話や海外の話を聞いた。またListening/Speaking担当のNativeの講師がいたので、たまに飲みに行ったりして細々と国際交流していた。ただ、当時海外旅行で行ったことがあるのはせいぜいハワイ程度だったので、将来一度は外国で生活してみたいなあと思っていたのが事の始まりだった。

e0087035_8163860.jpg司法試験に合格した直後、私が受験中からバイトしていた司法試験の予備校で、司法試験合格者を対象としたアメリカ司法制度視察ツアーなる企画が持ち上がった。その前年に、ハーバード留学記のdiwaseさんがCordinatorとなって同様のツアーが試験的に行われて成功したので、今年は毎年継続する企画として参加者を公募し拡大版でやろうという話だった。私はその予備校のスタッフだったこともあり、喜んで立候補してこの視察ツアーのCordinatorになった。ところが、当時視察先のつては前年に訪れたHarvardのHALS(Harvard Asia Law Society)しかなく、それ以外のスケジュールは全く白紙だったので大変だった。毎晩訪問先候補のWebsiteを調べてはE-mailでアポトリを試み、最初はほとんどは断わられた。しかし、幸運なことに、最終的には、Harvard Law Schoolでの教授とのSessionや学生との交流会、Columbia Law Schoolでの学生との交流会、NYPDでのNYの犯罪対策に関する講演会、Bostonの病院での医療過誤に関する講演会、NYのLaw Firm見学、Legal Clinicでの講演会など予定で一杯になり、ツアーは大成功を収めた。

将来絶対ロースクールに留学するぞと思ったのはたぶんこの時だろう。アメリカの学生と交流したり、講演会の話を聴いたりしているうちに、海外に行って日本にいるだけでは得られない幅広い知見を持ちたいと思った。また、Cordinatorとして、スケジュールをCordinateする部分は自分でも満足だったが、現地についてからのアメリカ人の担当者との交流や、講演会での通訳は、今から思えば恥ずかしいほど出来が悪く、くやしかった。留学して一度アメリカ文化や英語にどっぷりつからないとだめだ、と思った。将来の留学を見据えてひたすら英語でアメリカのドラマを見たり英語の本ばかり読むようになったのもこの頃からだと思う。

e0087035_8165458.jpg2000年に今度はHALSがJapan Tripを行うということで、HALSから私に一部日本側Organizorをやってくれないかというお願いが来た。恩返しということで、色々つてをもっている友人(今NYUにいます。)の協力を得て、当時内定が決まっていた法律事務所、日弁連、元最高裁判事などの訪問をセット・アップした。最後の日には、HALS側のOrganizorと2人でDinnerを食べに行って学生生活の話を聞いたりして、留学への思いを強くしたものだった。

そんなわけで今ここにいるのだけど、9ヶ月しかないLLM生の生活は思ったよりも忙しくて、毎日予習・復習に追われて知見を広げる余裕がなくなりがちだ。初心を思い出して、もっと色々しないとなあ、と反省した1日だった。

※写真は、1999年の視察ツアー当時の写真。当時のデジカメで取った写真はなぜ横長なのだろう?上から、HLSでのReception、NYPDでの講演会、NYの Morrison & Foerster法律事務所でのReception。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-18 08:07
2006/1/14 Law School Events
e0087035_3274329.jpg東京のローファームで働いていたときは、日にもよるがスパムを除いても1日100通くらいのメールが来ていた。留学したらこのメールチェックの日々は終わるんだろうなあと思っていたが、未だに学期が始まると1日50通くらいのメールが来ている。

違うのは、そのほとんどがイベントの案内、事務連絡やLLMのクラスメールであること。今学期も始まってみるとさまざまなお知らせが毎日届く。結構興味深いものもあるので、ロースクールでどんなイベントが行われているか、私に届いたものを中心に紹介してみることにした。

1 ロースクール・オークション


Chicago Law Foundation主催のPublic Auction。「The funds that your donations raise will help support the summer public interest legal work of 2Ls and defray the cost of bar exam expenses for students committed to working in the public interest after graduation」とある。出品物は学生からDonateされる。出品物の例としては、ガラス工芸を学ぶ権利、ミシガン湖のビーチハウスを1回使える権利、自分の出版した本など。

Class of LLMは、各自が年末に自分の国に帰省した際に買って来た各国のワインをたしなむ「LLM Wine Messy」の会の出席権をDonateすることになった。ただ、これについては、LLMのパーティーは常にJDを始めとする誰も対しても開かれたPartyなんだから、出席権を売るのはおかしいんじゃないか(またLLMのExclusivityを感じさせて、JDに対して感じ悪いのではないか)という激論がクラスメール上でなされた。

2 ロースクール・ミュージカル

毎年2月に開催されるシカゴローの学生によるミュージカル。結構本格的で、先日Auditonがなされた。題材はロースクール生活のようだが、出演者にかんこう令がひかれており、どんなStoryなのかは当日まで秘密になっている。LLM生も数人が参加している。日本人LLM生も、日本人LLM生きってのシンガーであるS氏が出演予定。毎日練習に励んでいて忙しそうだ。

3 トリビア・コンテスト
 
なぜかこれも毎年恒例。「The subject matter can be anything under the sun; however, pop culture, law and law-school related are the best type of questions for this contest」とのこと。既に30チームが参加しており、Class of LLMからも毎年参加してるから、少なくとも1チーム作れ、というメールが回っていた。JD相手に勝てるとは思えないが、結局誰がエントリーしたのだろう。参加チームの名前も「Estoppel Me」など趣向が凝らされていて(?)面白い。

4 ボーリング大会

なぜボーリング大会がオフィシャル・イベントなのだろう?よく分からないが盛り上がっているようだ。

5 Bar Review


以前紹介したことある毎週木夜に開催されるイベント。シカゴにあるローファームがスポンサーになって、ダウンタウンのどこかのBarが場合によっては貸し切りにされ、Discount価格で飲み物が飲める。今学期の第1回はビジネススクールと共同開催のようで、こんな案内のメールが。
Come share a drink with the people you'll someday represent (or sue), and catch up with all the JD/MBA kids you thought transferred.-The Bar Review Committee

6 Indoor Soccer

運動不足解消のために、私が参加する予定なのがこれ。明日が最初のゲームである。インドア・サッカーのルールはよく分からないが、先学期にやった本物のサッカーよりはきっと楽だろう。LLMチームのメンバーは例によってほとんどが南米・ヨーロッパ勢で、アジアからの参加者は私だけなので、ナカムラ・シュンスケになったつもりで果敢に挑戦する予定。

7 J-Table

日本に興味があるJD生と日本人LLM生がメンバーになっているJapan Law Societyが毎週ランチタイムに主催している日本語をお勉強する会。LLM担当Deanからは、日本人に対して学校内で日本語を使うなという指令が出ているが、J-Tableのみは例外とされる(もちろん、前記指令は全く守られないないが、ラウンジ等で日本人が固まって日本語で話しているところをDeanにみつかると、怒られる。)

今晩はこのJapan Law SocietyのShinnenkaiをJDメンバーが企画してくれた。会場の店は、「CoCoRo Shabu de Fondue」・・・なんなんだこの店の名前は・・。

*****

その他、毎週火曜の朝にラウンジで開かれFacultyや学生が交流するCoffee Mess(ダンキンドーナツのドーナツやコーヒーがただで食べ放題), 毎週金曜の夕方にラウンジで開かれFacultyや学生が交流するWine Mess(格安でアルコールが飲める)など、挙げだしたらきりがない。先学期は色々出た結果勉強に支障が出たので、今学期は絞って出席することにする予定。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-14 02:23 | School Life
2006/1/13 留学の際の学校選び
e0087035_14272362.jpgこのブログはこれから留学を考えている方々にもたくさん読んでいただいているので、今日は学校選びについてここに来てから思ったことを、特にNYの学校との比較で少し述べてみたい(完全に私見ですので、反対意見にも是非耳を傾けてみてください。)。

私はそもそもNYの大学に出願しなかった。その理由は、①NYの大学は授業が大人数でFacultyとの交流が薄い、②NYの大学は、学生間の交流が少なく、特に日本人はほとんど日本人としか交流する機会がないらしい、③②とも関係するが、NYの大学は日本人だけで40人くらいいて多すぎる、④NYのロースクール卒の日本人は山のようにいるので希少価値がない、⑤NYは生活環境がよくない(家賃が高い、テロの危険、外国人が多すぎて「アメリカ」らしくない、牛丼屋・TSUTAYAなど日本のものが多すぎて外国生活にならない等々)、⑥NYに行く機会はいくらでもあるのでせっかくなら違う都市に住んでみたい、などである。

他方、シカゴは上記①から⑥の裏返しだろうというのが当初の予想であった。それで実際にシカゴで数ヶ月過ごしてみてどう意見が変わったか。

その通りだったのは、①、②、⑤である。シカゴでは、
 ①授業は最大のクラスでも150人程度、普通のクラスなら20人から50人程度なのでどの教授も大体生徒の顔を覚えているし、LLM生と教授のランチ会などもあって教授へのアクセスはとてもよい。
 ②学生間の交流は多すぎて勉強に支障が出るくらいである。まず、LLM生50人の間には連帯感のようなものがあってみな仲良しである。法曹の方であれば同じ実務修習地で修習をしているメンバーといった感覚に近い。その結果必然的に外人と一緒にいることになるので学期中は英語を話している時間の方が長いという(日本人留学生としては多分珍しい)経験をすることができる。それから、学校が積極的にJDとLLMの融和政策を取っていることもあって、JDともそれなりに交流する機会が多い。JDもLLM生に対して興味があるようで、一度親しくなると色々お誘いをしてくれる。
 ⑤シカゴの街は最高である(街はきれい、ミシガン湖が美しい、高層ビル建築で有名なだけあってビルが美しい、道が広々、人もぴりぴりしていない、テロは起こりそうにない、ダウンタウンは安全等々)。 

ちょっと予想と違ったのは、③、④、⑥である。
 ③今年は日本人が例外的に多くLLM60人中日本人は10人もいる(去年もおととしも各4人)。ただ、今年もアジアという目で見ると14人しかいないのでLLMの中ではやっぱり少数派である(他に多い国は、ブラジル、スイス)。なお、去年は若干日本人を取りすぎたとの認識があるようで、今年はもう少し減ると思われる。
 ④確かに希少価値はあるが、この希少価値に果たして「価値」はあるのだろうか。逆に言うとネットワークは小さいということなので、マイナスかもしれない。
 ⑥意外とこちらに来てからまだ一度もNYに行ってない。まあでもきっとそのうち行くだろう。

これらに加えて、見落としていたことを何個か気づいた。

まず、ビジネス法の分野で大物教授の授業やゼミを受けられるNYの大学はうらやましい。いかに多彩なゼミや授業があって、それらを有名な教授が教えており、また各界の有名人らが頻繁に講演に来るかについてはNYの学校に行っている方々のblogを参照されるとよく分かる。これに比べると、シカゴはJDを入れても少人数制の学校なので、Facultyの人数も授業やゼミの数も少なく、それに加えてもともとAcademicな学校なのでビジネス法の授業やゼミは比較的充実してない(たとえば、「M&A」ゼミは1年おきなのでたとえば私の年には受けられない。)。なお、誤解を避けるために補足すると、シカゴのFacultyのレベルは非常に高い。例えば、7th CircuitのChief JudgeであったR.Posner教授、同じく7th CircuitのEasterbrook教授、司法省のAntitrust DivisionにいたWood教授をはじめ元裁判官の有名教授や租税法の世界で有名なIsenberg教授など名物教授は多いので、面白い授業を受けることはできる。ただ、Corporation Lawの分野については層が薄いと言わざるを得ない。

次に、日本人が少ないのと街に日本のものが少ないのは、楽じゃないということ。やっぱり何かと学校生活で困ることも多いので、気安くつきあえる日本人がたくさんいるのはいいことだし、アメリカにいるのに、日本のテレビを見れたり、あらゆる和食が気軽に食べられる環境は非常にうらやましい。シカゴにもミツワという日本食スーパーはあるのだが、ダウンタウンから車で1時間以上かかるのでそう頻繁に行くことはできないし、和食についても、和食屋はあるもののアメリカナイズされたヘンな店ばっかりで、和食シックにかかりがちである。

以上のように色々と良し悪しがあるのですが、結局は自分が留学して何をしたいかによるのだと思います。もしその目標が、インターナショナルな環境の中で、なるべくアメリカのLaw Studentと近い勉強・生活をするということであるならば、シカゴはおすすめです。ということで、色々な人の話を聞いて自分の留学の目標と相談しながらよく考えましょう。

※ 写真はミシガン湖上から見たシカゴのSkyline。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-13 14:10 | School Life
2006/1/12 Winter Quarter- Securities
e0087035_12553447.jpg今年は異常気象のようで、1月に入ってから異常に暖かい。最近ほとんど氷点下になることはなく、今日に至っては10℃を超えている。コートを着てると暑いくらいで、あまりに天気がいいのでロースクールの裏でキャッチボールをやっている人たちまでいる(写真右下)。

さて、科目紹介第2段はFederal Regulations of Securities(Henderson助教授)。条文集とケースブックとその補遺を入れただけでリュックが一杯になる。前学期のCorporationでこともあろうにM&Aをすべて割愛してくれたHenderson助教授だけに、今回もTOBまで行かないのではないかという恐れがあるが、TOBはChapter 20まであるケースブックのChapter12なので何とか辿り着いてほしいものだ。

コロンビア大のCoffee教授の分厚いテキストはとてもいい本で、学期中には到底読みきれないという難点を除けば、実例も豊富だし読んでいてとても面白い。fantasticmomongaさんによると、Coffee教授は非常に早口でひたすら喋り続けるそうだが、そうでもなければこのテキストは消化できないだろう。

クラスはビジネス法科目の中心的な証取法というだけあって、100人強の大クラス。またビジネスローヤーが多いLLM生は先学期のCorporationに続き大抵がこの科目を取っているようだ。Henderson教授も、初日に教室に来るや「先学期のCorporationで見た顔がたくさん戻ってきて僕は嬉しい!」と喜ばれていた。

授業の方は、3回目くらいから彼本来のスピードに戻り、細かい字がいっぱいのPPTスライドが65分の授業で毎回40枚程めくられ、1ケースの分析が3分で終わったりするので、予習は欠かせない。予習していってもこのスピードについていくのは大変なのだが、教授はだいたい生徒の顔を把握しており、ちょっとボーっとしていると突然当てたりするので、今回もこの科目がもっとも大変になりそうである。

なお、シカゴのFacultyになって2年目のHenderson助教授、CorporationのときのClass Feedbackを大分反映してくれたようだ。「スライドの文字が小さすぎて読めない。」という点は、フォントがPop体になって多少は読みやすくなった。私が書いた「スラングが多すぎて外国人には分かりにくい。」という点も、気をつけられている気がする。大変すぎてケースの予習の時間を奪われた毎週5ページのWritingAssignmentも簡単なチェック問題に置き換わった。よくなってるじゃないか。ということで、色々振り回されてはいるが、彼には是非将来大物教授になってほしいものである。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-12 12:54 | School Life
2006/1/9 Winter Quarter-Introductory Income Tax
e0087035_10474156.jpg授業が始まって一週間経ったので、科目ごとに暫定的な感想を述べてみたいと思います。第一弾の今日は、Introductory Income Tax(Weisbach教授)。

Weisbach教授は朝が好きなのか、先学期のCorporate Financeに続き朝8時半からの授業。朝7時に起きないといけないので水曜くらいになると相当つらい。しかし、先学期のひたすらスライドを追っていくCorporate Financeの授業に比べると、40人程度のクラスでかつケースとHypo中心の完全ソクラテス・メソッドなので眠くなることはない。LLM生はやっぱり日本人3人だけのよう。あまり人気があるとはいえない教授なので、あえてこの科目を取っているJD生にはツワモノそうな学生が多い。ど真ん中の最後列に陣取り、授業中ノートも取らず隣のイスに腕をかけながらでかい態度で授業を聞いているかと思えば、「それはおかしいんじゃないの?」的な質問をするJD生もいてアメリカらしい。

ちなみに私がなぜTaxローヤーでもないのにTaxを取っているかというと、これまで税法をちゃんと勉強したことがなかったので一度勉強してみたかったのと、事務所のK先輩がシカゴで取ったTaxの授業は面白かったし役に立ったとおっしゃっていたのと、春学期に取る予定のStructuring Venture Capital and ntrepreneurial Transactionsのpre-requisiteだからである。

授業、というか授業の内容は今のところ面白い。コースの名前の通り基本的なことしかやらないので特に最先端のトピックが出てきたりするわけではないのだが、アメリカはどの科目も判例が豊富で面白い事案が多いので、日本で条文中心の税法の授業を聞いたら退屈で寝てしまうだろうが、そういうことにはならない。ただ、彼の英語は私がこれまで聞いた教授陣の中で一番聞き取りにくい(重要な部分をぼそぼそ早口でしゃべる)ので結構内容を取りこぼしている上、彼のCorporate Tax(今回はIncome Taxだから違う授業だが)の授業は難しいためLLM生はほとんどが途中でDrop-outしてしまうという話もあるので、毎回毎回きちんとついて行くことが重要そうだ。

e0087035_10554781.jpg先学期に学んだこととしてはケースブックよりもStudy Aidの類(日本でいえば、有斐閣双書か?)が重要だということ。ケースブックは単にケースが羅列してあって、たまに答えのない質問が投げかけられているだけということが多いので、体系的な理解にはつながらない。今回は、アメリカの弁護士も重宝して使っているという「Federal Income Taxation Tenth Edition (Marvin A. Chirelstein)」を毎回授業に合わせて読んで行こうと心に決めた。
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by ilovemascarponeR | 2006-01-09 10:11 | School Life