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Structuring VE/PE/E Transactions IV
第4回目のテーマは、Growth-Equity Investment(ビジネスの拡大を図る既存の会社への投資)のストラクチャリングについて。

Start-up Transactionとの比較におけるGrowth-Equity Investmentの特徴

視点1 対象会社は既にビジネスを行っている。
    ↓
①徹底的な法務・会計Due Diligence(DD)が必要となる。またその結果に基づき最終契約においてPEと対象会社の旧株主の間で潜在債務のリスクをどのように分担するかを定める必要がある。
②既にキャッシュ・フローがあるのでPEの保有するDebt・優先株から早期にキャッシュ・フローが得られる可能性が高い。

視点2 対象会社には既存株主がおり、マネジメントも強い。
    ↓
①対象会社の既存株主が既に多額の出資をしているので、PEの出資持分は小さくなる。
②PEは取締役会において少数派となるかかオブザーバーとしての権利しか持てないことが多い。
    ↓
③PEとしてはStart-up Investmentの場合よりも多額の投資をするにもかかわらず、投資後はあまり対象会社の日常業務に関わりを持たないことになる。
④そこで、Default remedyが重要となる。具体的には、Default時には取締役会の支配権がPEに移る権利や優先株・Debtの早期償還条項など。
⑤Exit Strategyに関しても予めPEの権利をきちんと確定しておくことが必要。
 ・特にIPOの可能性が高いのでRegistration rightをきちんと確保しておくことが重要。
 ・PEの会社強制売却権、PE保有株のプット・オプション、マネジメント株主による株売却の場合のPEのTag-along rightなども規定しておくべき。
 ・Right of First Refusal(RFR)はPEが買主を見つけるにあたって萎縮効果があるのでなるべく避けるべき。どうしても入れる必要がある場合にはRight of First Offer(RFO)の方が萎縮効果が小さい。
 ※RFR=第三者からPE保有株買取のオファーがあった場合、対象会社が同様の条件でこれを購入できる権利。
 ※RFO=PEが対象会社株を売りたい場合にまず対象会社に期間制限付きでオファーをし、対象会社がおフォーに応じない場合にはPEが同額又はより高値でこれを第三者に売ることができる権利。

PEの希望を実現するスキーム

PEが既存の会社に投資する場合に求める条件は以下の通り。
(1)Passive non-management shareholdersの普通株の持分を減らす(優先株やDebtに置き換え)
(2)Active management shareholdersの普通株の持分を増やす
(3)PEは、相当数の普通株の持分(+優先株か劣後債)がほしい

これを実現するスキームとしては、①株式消却(Redemption)、②リキャピタリゼーション(Recapitalization)、③株式配当と持ち株会社設立の組み合わせ、などが考えられる。

株式消却を利用するスキーム

対象会社のPassive shareholdersの保有する普通株を劣後債を対価として消却するスキーム。株式消却と同時又はその直後に、重要なマネジメントに対して追加の普通株又はオプションを発行する。このインセンティブの効果は、普通株の総数が株式消却で減った分株式消却前よりも高くなっている。

このスキームを採用した場合、以下のような租税上の効果が発生する。
 ① 株式消却により、対象会社のPassive Shareholderはキャピタル・ゲイン(CG)を認識する。
 ② このCGについては、installment method reportingが可能(453条)。この場合、CGは繰り延べされ、元本額を受け取るごとにその割合ずつ消却額のCGが認識されることになる。この場合、年間5Mを超えた分は、IRSに対して繰り延べられた税金分の利息の支払義務が生じる。
 ③一定の場合には、株式消却が上記のようにSaleではなく、DividendとRecharacterizeされることがある。Recharacterizationのリスクは、消却後の旧株主の普通株の持株割合が大幅に減少する場合は小さくなる。
 ④対象会社は、社債について発生する利息を控除できる。

リキャピタリゼーションを利用するスキーム

対象会社のPassive shareholdersが、その保有する普通株を優先株に交換するスキーム。

このスキームを採用した場合、以下のような租税上の効果が発生する。
 ①新たに発行する優先株が非適格優先株に該当しない限り、368(a)(1)(E)のTax-free recapitalizationに該当する。なお、非適格優先株に該当すると、新優先株のFVに相当するGainを認識することになる。
 ②新優先株のBasisは旧普通株のBasisと同じ(358(a))
 ③新優先株保有後に株主が死亡した場合は、相続人の元でのBasisは死亡時のFVとなる(Step-up basis、1014(a))。
 ④新優先株に基づく配当については会社にDeductionは認められない。
 ⑤新優先株の分配が配当に近い形式である場合には、306-taintedになる可能性がある。306-taintedになると、将来株主が優先株を売却したときに、原則としてCGではなくて配当として課税されることになる。
 ⑥将来優先株を消却する場合に、302条により配当と扱われる場合がありうる。
 ⑦5Mを超える優先株を受け取った者も、IRSにDeferred taxに関する利息を払う必要はない(Installment method noteとは違う)
 ⑧優先株の発行価格が、その清算・消却価格を下回る場合には、Preferred OIDが存在することにある。これは配当として保有期間中に課税される。

株式配当と持ち株会社設立の組み合わせを利用するスキーム

対象会社が既存株主にプロ・ラタで優先株を発行し、その後、PE、マネジメント、Passive shareholderが25%,50%,25%の割合で保有するNewcoが対象会社の普通株を買い取り、対価としてNewco株を配分するというスキーム。

このスキームを採用した場合、以下のような租税上の効果が発生する。

(1) 株式配当

 ①プロ・ラタでの株式配当はTax Free。
 ②新優先株のFVがその清算・消却価値を下回る場合はPreferred OIDが存在することになる。よって、将来にわたって、Imputed dividend incomeを認識することになる。
 ③タックス・フリーの株式配当得られた優先株は、通常306 tainted.よって、将来これを売却又は消却するとCGではなく、配当として認識されることになる。
 ④新優先株の保有者が死亡した場合、相続人はStep-up basisを享受でき、また306 taintはEliminateされる。
 ⑤普通株を引き続き保有している場合には将来新優先株を売却する際に、302条が適用されるリスクが若干ある。

(2) 持株会社への普通株譲渡

 ①対象会社の旧普通株主にとっては、351(a)に基づくタックス・フリー取引に該当する。また、Newcoにとっても1032条によりタックス・フリー取引となる。
 ②対象会社の旧普通株主は、Newco株についてSubstituted basisを取得する。
 ③Newcoの費用を対象会社の利益で控除するために、両者はConsolidated federal tax returnを出すのが望ましい(但しそのための資本関係上の要件を充たす必要あり)。
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by ilovemascarponeR | 2006-04-24 09:59 | Law
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