今回もっとも驚いたのがこの島である。
事前の説明で、「海辺にはSealionが、陸上にはリクイグアナがいます。」ということで、もう見たよ、と思っていたのだが、ボートで島に近づいてみると・・・またまたとんでもない光景が。
海辺は、Sealionだらけ。泳いでるものから、寝そべってるものから、じゃれて遊んでるものまでざっと見積もっても100頭近くいそうだ。当然ボートの桟橋でもごろごろしている。このままではボートから降りられない。
アシカA 「ん?また人間どもの船がきたぞ。せっかく気持ちよく寝てたのによお。全く邪魔だなあ。」
アシカB「まあ、仕方ねえ。どうせあいつらここにしか降りられないんだ。踏まれてもイヤだし、どいてやろうぜ。」
アシカA-E 「よいしょ、よいしょ。」
ということで、どいてもらって、無事上陸。
そして、上陸してしばらく道を登るとまたまたすごい光景。
地面には赤い草が茂っており、そこに普通の木のような幹のあるサボテンが立ち並び、そんな地面のあちこちをリクイグアナ達が我が物顔でのっそのっそ歩いている(写真の下のほうに2匹います。)。その辺のSF映画のシーンよりもよっぽどこっちの方がAlien Worldだ。
セスビウムという名前のこの赤い草は、雨が降ると緑になり、雨がやんで乾燥するとだんだん赤くなるそうだ。ウチワサボテンと呼ばれるこのサボテンに幹があるのは、イグアナの主食がサボテンの葉っぱであるため、イグアナが葉に届かないように、サボテンが進化したものらしい。
他の島にもウチワサボテンはあるが、サボテンを食べるイグアナ・ゾウガメのいない島のウチワサボテンには幹がない。他方、幹のあるウチワサボテンを主食にしている島のゾウガメの甲羅は、頭上のサボテンに噛みつきやすいように甲羅の前の部分が反り上がっている。ついでにもう1つ言うと、ウチワサボテンの敵が全くいない島では、サボテンのトゲが退化して単なる毛のようになってしまっている。最近、法律の世界ではIntellectual Design説が連邦地裁で否定されたなどということが話題になっているが、こういうものを実際に目にすると進化論は正しいように思われる。
最後に写真をもう2枚ほど。まず左は、縄張り争いをする2匹のオスのイグアナのけんか。イグアナはサボテンの木を中心に縄張りを決めるので、同じサボテンを縄張りの中心にしようとするけんかになるのである。けんかといっても、噛み付いたり取っ組み合ったりすることはなく、お互い威嚇しあって、あっち向いてほいをしているようにしか見えない。意外と平和な世界なのか。ちなみに、そういうわけでサボテンの周りの岩の上をよく見ると大体イグアナが1匹休んでいる。最後は、お互い我関せずのSealionとイグアナ。
(12月27日の投稿に続く。)