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2005/11/28 Quarter System
2005/11/28  Quarter System_e0087035_14502599.jpgわが校では、Quarter制が採用されており、秋・冬・春と3学期をこなさないと卒業できないのだが、Quarter制を採用しているロースクールはまれで、シカゴとスタンフォードくらいらしい。他はSemester制であり、卒業までに2学期をこなせば卒業できる。もちろん、授業の日数が大きく変わるわけではないので、違いとしてはQuarter制の方が1科目に与えられる時間が少なく、逆に言うと、卒業までにより多くのクラスを取れるということになる。これにはもちろん功罪があり、「功」としては、学期中に冬休みなどの長期休みが入らないので、だれることなく休みなく勉強してテストを受けなければならず、結果、学生の合計勉強量が増える。他方、「罪」としては、時間が限られているので、膨大な1科目の範囲をカバーしきれないか、カバーしようとするとどうしても駆け足になってしまう。

そんな功罪を受けつづけた数ヶ月だったが、今日は、もろに「罪」を受けた。Corporationの教授が、突然「えー、私がしゃべりすぎたのかみなさんがしゃべりすぎたのかは分からないが、とにかく時間がなくなったので、M&Aのところは授業ではカバーできない。パワポのスライドは配るから勉強したい人は試験終わってから自分で勉強するように。」と発表。はい~??私がCorporationを取った主目的はM&Aの部分だったので、はっきり言って今なんでこんな苦しんでいるのか理解できない状況。まあ、Duty of Loyalty, Duty of Care, Shareholder Controlなどはもちろん勉強する意味があるのだが。。ロースクールの教科書は、他の学校の教授が筆者の場合はそもそもSemester制を前提に作られているので、それをQuarter制で終わらせようと考える方が無理なのである。

2005/11/28  Quarter System_e0087035_14581818.jpg今日はCorporate Financeの教授とLLM生のランチ会だった。約10人のLLM生と教授がお昼を食べながらざっくばらんに雑談をして親交を深めるのが目的で、去年から行われている。特に記憶に残っている話は、シカゴでは教授がGeneralistで、何でも教えるのが経験上よいと考えられているという話。確かに、AntitrustとSecured Transactionは同じ教授だし、SecuritiesとCorporationと別のAntitrustの授業は同じ教授である。こんなことは日本では考えられないし、ドイツなど他の国でも考えられないらしい。次に、教授の一番の専門はTaxだが、そもそもどうしてTaxの専門家になったかという話。ロースクールではTaxの授業なんて全く取ったことがなかったが、仕事で貧しい人たちを助けるファイナンス案件をやって、興味がわいた。やってみたら結構得意で、気づいたらクリントン政権にアドバイスを求められたりするようになった、とのこと。最後に、Quarter制の功罪の話。教授としては、時間がなくてじっくり教えられないのでQuarter制に反対らしい。

1年しかないので色々な科目をとりたいという点ではQuarter制はありがたい反面、応用の部分が時間不足でできなくなってしまうのでは意味がない、ということでどっちがいいんですかねえ。
by ilovemascarponeR | 2005-11-28 14:17 | School Life
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